チネイザンは聴くことのアート

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こんにちは。
しずかです。

最近またチネイザンの本を読み返しています。バークレーにインスティチュートとクリニックをもつ師 Gilles Marinによるこの本 ” Healing from With with Chi Nei Tsang” の内容は、私にとってチネイザンの教科書。施術者向けに書かれた内容で大切なことがたくさん盛り込まれています。以前(5年ほど前)少し翻訳して紹介したことがあるけれど、自分のためにも、また少しづつ、シリーズにして抜粋して書き起こしてみます。(師から許可を得て載せています)

チネイザン

チネイザンは、学びを進めるなかで、それぞれの個性や理解の度合いに応じて、だれでも施術が出来るようになるでしょう。その際に最も大切なことは、テクニックではなく”癒し”の原理  であり、テクニックはそこから生まれたということを深く理解することです。

チネイザンは腹部マッッサージのアート

指圧、鍼灸、リフレクソロジー、スウィーディッシュ、デープティシューマッサージ、オステオパシー、リンパマッサージ等の癒しの技法は求心性で、遠い所から中心に近づき、最終的に中心部に作用させます。チネイザンがパワルフなのは、中心である腹部や臍に直接フォーカスし(遠心性)全身に作用するという点です。

下腹部はまさに身体の中心であり、呼吸や動きの発動点です。身体を構造的に見ても、重力のセンターであり、消化、解毒、エネルギー変容のセンターでもあります。中医学や武術に於いてはハラ(日本)と呼ばれたり、丹田(中国)と呼ばれたりするこのセンターは、生命力が宿るパワーハウスのようなところです。

その腹部には臓器が収まっていて、その構造(収まり方)は人によって違います。そこにはその人の秘密が隠されています。自分自身にさえ隠しておきたいことも。自分の中の摩擦や個人の歴史、人格、性格なども。内臓がどんな状態か、臓器がどう位置しているかは、その人の将来や人生の目的をどう果たしていけるかにも影響してきます。

そして人生の目的から逸脱してしまうと、自分の中に矛盾や葛藤が生まれ、病気の原因をも作ってしまうのです。

チネイザンのプラクティショナーは、クライアントの腹部や臍の構造、緊張感や違和感のある部分に働きかけることで、その人が人生の方向性にもう一度気づいてもらうことの手助けをしています。チネイザンによって、気づきや自己達成をぶれさせている内側の摩擦が調和されるのです。

また腹部にフォーカスすることで、その人のセンター、根っこ、生の中心からの癒しがもたらされます。この腹部へのマッサージには、次の4つの主な働きがあります。

チネイザンの主な働き

1)デトックス効果
身体の中の余分なつまりや滞りを軽減してくれます。排泄機能を向上させ、リンパの流れや血液循環を促進し、病気に対する免疫システムを強化します。このような働きは、術前・術後の素早い回復を助けてくれることにもなります。

2)内臓を正しく保ち活性化する
内臓を正しい位置に保つことによって、それらの働きを強化し、また姿勢を正してくれます。(姿勢の悪さは、しばしば内臓の位置のアンバランすによる筋膜のつれから起こる)そして深く根ざした緊張を解き、活力を蘇らせます。チネイザンは慢性的な腰痛、首・肩のこり、足・足・骨盤のズレからくる問題を緩和する効果もあります。

3)感情の安定化
未消化の感情は消化システムの中に潜み、浮上するのを待っています。消化されないで残ってしまう感情が、病気の主な原因となってしまうのです。チネイザンは体に溜めた感情を浮き上がらせ、個人の成長や進化を促します。また心理学と一緒に使われることで癒しの効果をあげています。

4)気づきをもたらす
自分の健康の責任は自分にあります。チネイザンは健康への様々な気づきをもたらしてくれます。基本的なテクニックで、呼吸の質が変わり(向上し)、食事や健康的なライフスタイルへの意識も高まっていくでしょう。プラクティショナーは物事を視覚化する力(visualization)や瞑想を継続して行うことで、トリートメントの効果を高めることができるでしょう。

“Healing From Within” Gilles Marin
North Atlantic Books


大切なことは、テクニックではなく”癒し”の原理であり、テクニックはそこから生まれた。ということ。治すのではなく、深く聴いて、本人が気づくことで、癒しが起こっていく。プラクティショナーには深く聴き取れる力が必要になってくるんですね。

これからも大切なポイントを少しづつ載せていきます。

チネイザンインスティチュート公式サイト
https://www.chineitsang.com/

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