こんにちは。
土屋しずかです。
チネイザンのコラム、今回(7回目)は
「今ここ」に働きかけることについて、
“Healing From Within”の抜粋からの翻訳です。
”より健康になるために
変化するために
成長するために
今ここにいる、
ということが大切になる”
“今ここ” に働きかけることの重要性
チネイザンのプラクティショナーはクライアントに対して先入観を持つことなく、安心感や信頼感を与えられるよう努めることが大切です。
そして今ここで起こっていることにフォーカスするのです。お腹を触る・探求するということのアートは、今ここでお腹に何が起こっているかを感じることなのです。
感情体に時間や空間は存在しません。
感情体は今この瞬間に生きています。過去にどんなに辛いことが起こったとしても、私たちは、それを今ここで対処することができるのです。
その体感(過去の辛い体験)があまりにも強いため、それを今でも今起こっているように感じたことはありませんか?そして私たちが繊細になるほど、その感情は強く思い起こされます。
それに気づくことを許し、感じていいんだということを、自分に許したその瞬間に、向き合うことのできなかった過去の辛い思いや感情と対峙することができます。
それらの感情は常にそこにああったのです。ずっと引きずり、重くて、消化されずに、生々しく、身体の中にあって、曲がったり歪んだりしながら存在し、肉体的な痛みとなって、そこに、あったのです。
痛みが、肉体の痛みとして現れるのは、感情的な痛みよりも楽なためなのです。
肉体は、骨格や代謝機能、呼吸や動きなど、あらゆる症状を通して、何度も何度も、今ここで、どんな感情的な問題を抱えているかを教えてくれる
直接働きかけることができる肉体を通して、私たちは感情体にもタッチしていくことができます。
感情が時間を伴わないことは素晴らしいことです。なぜなら今ここで、常にヒーリングの起こる可能性を与えられるからです。
クライアントが深い感情に触れることができたとき、彼(彼女)は、時間も距離も存在しないスペースに入っています。
クライアントがそのようなヒーリングのスペースに入っていけるためには、プラクティショナー自身も同じ次元にいる(入る)必要があります。
プラクティショナーは、トリートメントは常に”今ここ”でおこっていると心してください。
ある一定の時間の中で、トリートメントをどう進めるかを考えなければいけませんが、今、何がおこっているかということに、ひと呼吸ごとにいることが大切です。
日々の自己修養のためのプラクティスや、小周天*を開いていることが、今ここにいることを助けてくれるでしょう。(小周天: 体内の気を任脈と督脈に沿って循環させ、保持し、外側の諸力を体内に引き込んで、生命力へと変容させていく気功法のひとつ)
そして、今ここにいることが自分自身のパワーとも繋がり、Bone Packing* (骨のパッキングの呼吸)がそのパワーを養ってくれるでしょう。(Bone Packing: 腎のエネルギーである骨は生命力の結晶化された臓器、そこに呼吸をして気を骨の中にパッキング; 保持していく)
”聞くタッチ”で、お腹の探求をしながら、プラクティショナーもクライアントも、”今ここ” にいる時に、ヒーリングは起こります。
そしてプラクティショナーのこのようなタッチによって、クライアントはこれまで自分の中のないがしろにしていたところに、優しさと敬意を持って触れていいんだと気づいていくでしょう。
(つづく)
”Healing From Within” by Gilles Marin
North Atlantic Books 1999
**バークレーにインスティチュートとクリニックをもつ師 Gilles Marinによる書籍 ” Healing from With with Chi Nei Tsang” の内容は、私にとってチネイザンの教科書。施術者向けに書かれた内容で大切なことがたくさん盛り込まれています。少しづつ、シリーズにして抜粋して書き起こしています。(師から許可を得て載せています)
チネイザンインスティチュート公式サイト
https://www.chineitsang.com/