土屋しずかです。
チネイザンのコラム今回(4回目)は、”プラクティショナーとしてどのようにクライアントの成長の手助けができるか” について、
“Healing From Within”の抜粋からの翻訳です。
チネイザンを通してどのように
クライアントの成長の手助けができるのか
体調不良は、体に対する情報の不足からくることが多いです。
不調の原因について、体が解ると体はその機能を取り戻し始めます。
だから私たちは体を訓練する(教育する)のです。
私たちは通常、両親や友人、同僚など周りの人たちから間違った情報もたくさん得ています。
そして本当のことを知らないまま、間違いが何度も繰り返されていると、いつしかそれがは”標準” となってしまいます。
体もそんな風にできあがってしまうのです。
例えば、食事もちゃんと準備して食すことで、”消化”に結びつきます。
食材を買いに行き、食事を準備することから、体の消化吸収の準備が始まっていくのです。
チネイザンは”標準”(日常的になってしまっている習慣)に従うのではなく、体調にあった方向へと私たちをリセットしてくれるのです。
(*注釈:チネイザンを受けることで食に対する考え方や態度が変わっていく、それにより消化吸収の働きが変わるということ)
また、呼吸をみていくことも自分の体のリズムを知ることを助けます。
代謝機能を調整していく呼吸… チネイザンのタッチは、体のリズムが生き生きとしていくことを助けてくれます。
内臓自体がいったんそのリズムを掴むと、自然のリズムに乗って健康な状態を取り戻し始めます。
例えば大腸が、自分が長い消化器官の一部であると感じられると、消化官全体のリズムに沿うようになり、食事をするごとに蠕動運動が促されるのです。
クライアントへの助言も、各個人の要望に応じたものでなければならなりません。
学びは人さまざまです。
一歩一歩のガイダンスが必要な人もいれば、ある程度のアドバイスだけで進んでいける人もいます。
ある人は視覚が優れていたり、ある人は聴覚的だったり、また肉体的な感覚がわかりやすい人もいます。
それゆえに学びへのアプローチは様々です。
通常、その人に一番必要だと思われることが、いちばん習得に難しかったりすものです。
プラクティショナーはこれをしっかり理解することで、忍耐強く寄り添うことができるようになり、クライアントは個々人の資質にあったペースで学びのプロセスを進めることができるでしょう。
人は様々なエクササイズで体を鍛えようとします。社会や職場で成功や実績を収めるために力を磨きます。
なのになぜ、内臓をトレーニングしないのでしょうか。
私たちの内臓は最も神秘的なところであり、生と死の源でもあるというのに。
魅惑やタブーに満ちた源。
だからプラクティショナーは敬意をもってそこに触れることが大切です。
まずは自分の内臓に。
そしてクライアントに。
そのような神秘の場所に触れていく際、プラクティショナーとクライアントとの間に信頼関係があることはとても大切なポイントです。
トリートメントでは、内臓が感情に反応して、クライアントを動揺させてしまうことも起こります。
そのようなことが起きた時はすぐに、プラクティショナーとクライアントの間でコミュニケーションを取り戻さなければいけません。
プラクティショナーとしてのアートは、クライアントが自らのヒーリングを妨げようと無意識に使っている戦略を、認識し、理解し、受け止めてあげることです。
気分を悪くしたり、嫌な思いをしたくないために自分をプロテクトしているその抵抗を通して、クライアントをガイドしてあげることです。
薬は気分が悪いときに飲みます。でも気分が悪いと感じられることは、実際には健康なことの証なのです。
クライアントの成長にとって最も大切なステップは、自身の中にあるその抵抗感をしっかりと感じ、それを信頼することなのです。
その抵抗には、、トリートメントへの抵抗、眠ってしまうこと、予約を忘れてしまうこと、だされた宿題をやらないこと等が含まれます。
自分がある種の行動パターンを取っているのはなぜかということを受け入れて初めて、そのパターンを変えていく道を見つけられるのです。
抵抗とは、その人が痛みを通り抜けていくことを避けているというメッセージに他なりません。
それはまさにヒーリングのプロセスです。
クライアントの抵抗が隠されていて根強いものであれば、それはいつでもコントロール下にあるので、プラクティショナーは細心の注意を払う必要があります。
またプラクティショナーは、クライアントの抵抗感に共感し、思いやりを持つことで、成長をサポートすることができます。それができないと、信頼を打ち立てることができず、クライアントの感情体に悪しき影響を与えてしまいます。
信頼関係はとても重要です。
プラクティショナー自身もこれまでにトリートメントを受け、自らの抵抗感と向き合った経験があれば、クライアントの抵抗感にも思いやりや共感を持つことができるでしょう。
また自らの体験をシェアすることで、クライアントをサポートすることもできるでしょう。
プラクティショナーは、自らの弱さを示すことを恐れてはいけません。
自らの弱さを認められるということは強さの証であり、変化できるということ、ヒーリングが起こるということを、
示してくれている証なのです。
North Atlantic Books 1999
**バークレーにインスティチュートとクリニックをもつ師 Gilles Marinによる書籍 ” Healing from With with Chi Nei Tsang” の内容は、私にとってチネイザンの教科書。施術者向けに書かれた内容で大切なことがたくさん盛り込まれています。少しづつ、シリーズにして抜粋して書き起こしています。(師から許可を得て載せています)
チネイザンインスティチュート公式サイト
https://www.chineitsang.com/