こんにちは。
土屋しずかです。
チネイザンのコラム、今回(15回目)は、
「デトックス」についての続きのコラムです。
“Healing From Within”の抜粋からの翻訳です。
これまでの記事はこちらをご覧下さい。
デトックスのための最良な方法ーーー「睡眠」
神経系のうち、副交感神経が優位になることで、私たちの身体は休まり、眠りにつくことができます。よく眠ることが身体をデトックスする最良な方法でしょう。
ストレス過多による不眠は現代社会の深刻な問題です。常にストレスを受けている状態は身体に様々な悪影響を与えますが、 ”眠れない”ことは更に大きなダメージになります。
睡眠にはエネルギーが必要
奇妙に聞こえるかもしれませんが、眠るためにはエネルギーを必要とします。
私たちはクタクタになるまで待って眠りに就くことが多いですね。例えば仕事を終え、夜はテレビの前でうつらうつらし、重たい身体を引きずってベッドへと入るというように。これはとても不健康な状態なのです。
疲れすぎた状態では、睡眠がすべきこと~その日の疲れを癒し翌日からの仕事や社会生活のための活力を充分に与える~ができなくなってしまうのです。
生理学的に見ても、眠っている間に身体はたくさんの仕事をこなしています。例えば、大きな呼吸をしながら眠る人を見て、なぜこんなに呼吸が大きい(激しい)のかと思ったことはないですか?その人は実際、眠りながらその日に受けた疲れを眠りの中で修復しているのです。
そしてその時、神経系も交感神経から副交感神経(生体が正しく機能するための修復モード)へと変換されているのです。そして睡眠中の身体の中では、肉体的には解毒・掃除・修復・成長などが、エネルギー的には夢をみることで感情の解毒・修復が行なわれているのです。
ところが、静かで安らいだ眠りのための充分なエネルギーがない人は、眠りの間に行なわれる様々な修復作業が全てできず、身体にとって最重要とされる消化と神経系修復にエネルギーが回されるため、眠りがすべき仕事が残されたまま少しづつ溜まっていってしまうのです。
つまり毒素も溜まってしまうということ。毎晩のことが毎週となり、毎月となり、毎年となり……十分な休暇でも取らない限り、身体に積もり続けてしまうのです。
デトックスとしての睡眠と運動
睡眠は私たちにとって欠かせません。精神的・情緒的にストレスを感じている人には、神経系を休めるための運動も欠かせません。特に不眠症を抱える人には、血流を促し、神経系を鎮め、呼吸を深くするためにも、何かしらの運動をすることをお勧めします。
身体をある程度充分に動かすことで、リンパや血液、体液が循環し、内臓が刺激されて動きが良くなります。食べ過ぎてしまったら、消化を助けるために1ブロック(数キロ)歩くだけでも充分な運動になります。
それによって脚に通っている消化器系の経絡が活性化され、横隔膜が動くことで内臓の動きが促進されます。楽しく気楽に歩くことでリンパ液の流れは20倍も増すのです。
注意しなければいけないのは、年配者は運動量に気をつけてください。やり過ぎはいけません。運動が疲労になると、ストレスホルモンが蔓延し逆効果になってしまいます。少づつ始めて楽しみながら量を増やしていくといいでしょう。
そしてここが大切な点ですが、全ての運動において歓びを感じながら行なうこと、です。それを社交の場としてもよし、ペットと遊ぶ時間としてもよし、美しい景色や新鮮な空気を楽しみながらでもよし。。そして健康促進のために、それは毎日行なってください。
チネイザンがデトックスを促進する
例えばあなたが生産性の低い工場で働いていたとします。効率や生産性を上げるためには、人員を増やしたり、チームを変えたり、再教育したり、給料を上げたりボーナスを出す等のやり方がありますね。
私たちの内臓にも同じことが言えます。チネイザンを行なうことで、まずタッチ(手)により働きの鈍った内臓を整え(内臓を教育)整ったら内臓に感謝をすることで内臓のスピリット(精神・魂)を高揚させることができ(タオでは各臓器にスピリットが宿ると考える)臓器が行なう仕事が潤滑に回るようになるのです。
チネイザンは、臓器の仕事がはかどるためのサポートや安全・安心を提供することができるのです。
例えとして書きましたが、チネイザンでデトックスをする際には、段階があることも述べておきます。
最初の段階は、内臓に溜まった余分な仕事を取り除いてあげること。第2段階は、この溜まった仕事を取り除くプロセスに、全ての臓器がしっかりと関わらなければいけないということ。第3段階は、互いの臓器が相互サポートの感覚をもって行なわれるということ。第4段階は、デトックスの効果が全ての臓器に感じられる、ということ。
デトックスの効果が全ての臓器に感じられる為には、休息と修復の時間が必須です。しっかり休んで立直すことで一番弱ってしまった臓器にもエネルギーが流れ始めます。
そして一旦この仕事が成されると(デトックスされると)エネルギーはこれまでとは違った流れを作り、代謝に変化をもたらし、内臓はあるべき場所に整えられ、骨格や姿勢にまで影響をもたらします。
チネイザンはデトックスを促進しますーーけれども各クライアントの体質にあったデトックスを効果的に行なえるかは、プラクティショナーの腕にかかっています。
過度のデトックスは吐き気や頭痛、下痢等の反応を引き起こします。デトックスが必要であるとしても、クライアントが対処できないところまでプッシュしないことです。デトックスのプロセスは、注意深く見守ることが大切なのです。
ゆっくりとしたアプローチをとり、過度な反応を起こさないように努めてください。副作用も最小限になるようにして、クライアントの食や環境への意識や嗜好が、より健康的に徐々に変わっていくことが望ましいのです。デトックスの必要性が大きいほど、そのアプローチは穏やかに行なうことです。
ーーー次回へ続くーーー
“Healing From Within” by Gilles Marin
North Atlantic Books 1999 P121~123